2つの異なる要素が挙げられているようですが、果たしてどうなのでしょう?
そこには、裏社会を生きるアウトローが持つ一種独特な魅力、そして自らが受けた表社会になるヒエラルヒーの中の差別に対する反骨心が重なり合い、主人公・牛嶋馨と『闇金ウシジマくん』が誕生したことが伺い知れます。
『SWITCHインタビュー 達人達』に登場。『闇金ウシジマくん』から『九条の大罪』に込められた思い
真鍋昌平さんが『闇金ウシジマくん』に求めたのは、表社会にある理不尽さを覆すチカラだったのではないでしょうか?
ところが、牛嶋馨にも限界があった。それが金主の壁であり、そして法の壁です。
裏社会でどれだけ恐れられる無敵の存在・ウシジマくんでも、矩を踰える(のりをこえる=法や道徳を犯す)ことができなかった。そこに無力さや弱さを曝け出さざるをえなかった点が課題として残ったのでしょうね。
いくら裏社会を生きるとは言っても、裏と表は表裏一体。裏には裏独自のルールがある。けれどもそのルールとて表社会のルールにはなすすべなく従わざるを得ない弱さを内包しているからです。
ところが、『九条の大罪』では、話が違う。
主人公・九条間人は法を扱う弁護士。
法の解釈ひとつで、法を逆手にとって依頼人の主張を通していく……まさに法に負けない強さを手に入れた主人公を描いてみせたのです。
裏社会の生々しい実態に触れるため、相当な数の人と会いリサーチされている真鍋昌平さん。
『SWITCHインタビュー 達人達』では、どんなリアルなエピソードが飛び出すのでしょうか、興味津々です。

まとめ
今回は、真鍋昌平さんを取り上げました。
裏社会の存在も、そして大義も、公に認められるものではないのかも知れません。
しかしこの世界は、もとより、陽があれば陰があり、表があれば裏があるもので、それを覆すことはできません。
実は、真鍋昌平さんが描こうとする核心、それは、裏にある不条理ではなく、表社会にある不条理なのではないでしょうか?
表裏一体の関係にあるもの、それぞれがその中で条理とするルールや法則に従って営まれ、干渉しあう必要がないのかもしれない……彼の2つの代表作から、そのようなメッセージを感じるのは私だけでしょうか?
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